歩く

3年前の人間ドックで「栄養失調です」と言われた。先生の話を聞くには、注射かなんかして調べてタンパク質がうんたらかんたらと言っていた。よくわからん。この後、脂肪が多すぎるから痩せろと言われた。私もほぼ医者と行っていいくらいの医学知識を持っている。家にある分のブラックジャックは全部読んだし、なんなら『ブラック・ジャック創作秘話〜手塚治虫の仕事場から〜』も全巻読んでいる。アニメ制作大変そうだった。あとは、毎週発売されて、1号は低価格でお馴染みの『インサイド・ヒューマンボディ』も買ってもらえる時は買って読んでた。1号には各号をおさめられるバインダーがついていたが中身はスカスカ。まぁ、それくらいの医学知識があっても栄養足りないのに痩せろと言われたのがよくわからなかった。

よくわからないまま、太りもせず、痩せもせず1年を過ごし、翌年の人間ドックを迎えた。

この年言われたのは「この先、40代、50代を健康で過ごしたかったら、今から始めましょう」だった。何を始めるのかということは言われなかったけど、この頭脳に蓄積された医学知識で考えると「痩せるための何かを始めましょう」ってことだなっとわかった。でも、先生は「じゃあ、何をしましょう」とは言ってくれなかった。いうとしても「食生活に気をつける」とか「運動しましょう」レベル。人間ドックって結構高い。検査費用がほとんどだと思うけど、その中で幾分かはこの先生の総評に対しての費用となっているだろう。決して安い金額ではない。それで人間と一緒に育てたオットセイなら答えられるであろうベタなアドバイス。もっと踏み込んでどうしろって言って欲しい。食う量をこれだけに抑えろ、これを食え、一日これくらい運動しろ、最悪薬飲みましょう、とか。

とりあえず、自分で考える。考えた。歩く。秒で決まった。筋トレはジムに行くのが最上と知っているから、ジムに行くことができない身としては、ベストを取れないというのがわかっているだけにモチベーションが続かない。気持ちがたかぶらない。筋肉が喜ばない。こんな感じで有酸素運動をやろうと思った。有酸素運動でいれば水泳、走る、歩くの3つ。水泳は泳ぐところがないからパス。走るのがいいとは思っているけど、困るのは走る場所がない。街を走るしかないのだけど、毎日同じ景色を見ながら走るのは飽きる。ちょっと今日はコースを変えてみようかと思っても、走っているときに急な方向変更は難しい。とにかく走っている以上臨機応変にな対応ができない。だったら歩くしかないだろうということで、決めた。

歩くのは楽。だって、歩けばいいんだもん。何も難しいこともなく、費用もかからない。だって、歩けばいい。コンビニに行くために歩く。コンビニで用が終わってもそのまま歩けばいい。2こくらい遠いコンビニに行くのもいい。左足をあげて、前に出す。その次に右足をあげて、踏み出す。たったこれだけ。こんな小さなステップでスタートできるのはとてもとっつきやすい。

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