時代じゃない

歳のころ40代くらいのサラリーマン2人組の会話。大井町のアトレにあるエスカレータで聞いた。「自分、雰囲気悪くなったりしたら、田辺をいじるんですよ。」っていう発言に対してい、もう一人の男が「わかる。一拍おくためにね。田辺は何言っても大丈夫だからね」と言った。それを聞いて、そういう考え方は、今の時代から随分ズレた発言じゃないかな、と思った。自分たちはいじりだと思っていても、田辺本人は、どう思っているのかなぁ。うち放題のサンドバックだっていつかは破れて砂が出るぞ。中に砂が入ってるかは知らんけど、昔漫画で見たような気がするから、破れて砂が出るぞ、といっておく。

そうはいうものの、自分だって時代に順応できてはいない。人をいじるっていうのは、ほぼイジメだと思ってるから、その辺はやらない方がいいっていうのはわかる。ただ、普通の会話の中にある「ハラスメント」的なものが怖くて、何をいっていいのか、何をいってはいけないのかがよくわからないというのはある。絶対いってはいけないこと、いってはいけないこと、とか「いってはいけない事というべきこと」というのがあったとして、その境目付近の微妙なラインの判断がつかない。だって、「かわいいね」とか「きれいだね」とかっていったらダメなんでしょ。「背おっきいね」とかも、俺がいうとしたら「髪きった?」レベルでも多分、法廷であるか、法務の人と上司とで一緒に会議室に入って色々とお話しさせていただくようなことになるだろう。

今、37歳の自分が20代だったころって、どんな感じだったろうか。とぜん当時から「ハラスメント」というのはあったはずだけど、どっちかというと絶対的王者に「セクハラ」がいて、次に「パワハラ」という言葉が聞こえ始めたくらいの時期だったと思う。「セクハラ」は完全に男から女に対してのもので、男の私には全く関係ないもの、という認識だった。「パワハラ」っていうのもまだどんなものが「パワハラ」に当たるのか誰もよくわかってなかったと思う。今は研修を受けるけど当時は研修なんて無かったと思うんだけど。こういうことをは大体自分の勘違いで忘れていたり、どっかの記憶とごっちゃになってたり、そんなことが多い。とにかくそんなものはなかったという前提で話を進めると、当時は毎日ぼこぼこにされてた。流石に直接の手は出なかったけど、暴言やら、資料を投げつけられたり、とかやられたい放題だった。

田辺の話を聞いた時は、多分田辺も俺と同じくらいで30代後半で、入社した時は俺と同じようにいじられてたのかなぁと思った。というのも、この昔の関係せいは諸々の法律とかよりも優先されるという風潮があると思う。なぜなら、当時から付き合いのある人と私の関係性は全く変わらないから。口から出てくる言葉に過激さは減ったし、資料を投げつけられることも無くなった。けど、上下関係は変わらないし、ノリも当時から変わらない。田辺の心が風邪をひかないことを願う。

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