動機

社会人になって、15年目くらいか。実際には何年度入社で、何から何を引いたら年数が出るのかがよくわかってないから、だいたい勤続15年といったところ。毎年毎月毎週、3日おきくらいに「来年こそは辞める」と決めるので、来年もいるかわからないけど、とりあえず、なんだかんだと文句は言いつつも辞めずに今日まできた。しかし、一向に偉くならないので入社以来変わることなく都合のいいようにつかわれている。

入社した時は偉くなりたいと思っていた。最終的には社長になりたいくらい思ってたんじゃないかな。だけど、入社して2年目くらいには、自分の実力だけでは社長になるのは難しいということがわかった。なんていうか、そもそも社長の椅子がこっちに向いてないということがわかった。社長ってのは下から登っていって「あ〜疲れた」って腰をかけるものではなく、天から降ってきた人がちょうどその椅子にスポッとおさまって、社長になるんだということがわかった。社長以下の椅子も同じく天から投下されてくる人がスポスポそこにおさまってなるもんなんだ。下向きに用意されているのは2つくらいだという事もわかった。そこで偉くなりたいなんて夢は捨てて、現場で技術者として誰もが一目おくようなプロフェッショナルな人間になろうと決めた。

これは若干成功した。でも叶えてわかったのは、周りの詳しい人に任せよう体質にいいようにつかわれているというのが現実だということ。「専門家」だとおだてられ、自分たちができない作業を全部押し付けられた。それができたって、できなくったって、給料は変わらないんだし、昇進も降格もない。クビもないんだから、やらせたほうが得だという考え方の犠牲者になってしまった。ひどい時は数年間、土日休みなしで週70時間くらい残業してた。上司が「俺がそれを見てたらとめないといけないん」という発言、つまりは、見なかったことにする、俺に残業の話をするな、という超無責任発言のもと毎日終電まで働いていた。上司が変わって、働き方改革なんかが声高に叫ばれるようになって、やっと改善されたけど、いまだに休日何をやっていいかわからないくらい仕事が身に染みついた体になっている。

そんなこんなで、年齢を重ねて、そういう働き方にも限界が見え始めた昨今は、再び「偉くなりたい」という気持ちがふつふつを湧いてくるようになった。今度は「それなりに」偉くなりたいというやや謙虚さを持った出世願望となっている。それも今まで頑張った分いい思いがしたい。俺を心の底から楽しませてくれるような接待を提供していただきたい、という極めて下衆な動機がその願望を支えている。周りを見るに部署によっては「課長」でも楽しい視察旅行というのが適用される可能性があるということがわかった。「うちの開発センターの視察にいらしてください」なんて言われてちょっと飛行機や新幹線に乗ってピューんっといきまして、土地の美味いものをくい、美味い酒を飲み、おだてられ、なんてことがあるらしい。

誰か忘れたけど、超大物俳優がパソコンを覚えさせるために、マネージャが何をしたか。それはアダルトサイトを見るということを動機付けにしたと聞く。やっぱり自分の欲望と密接に結びつくほうが動機付けとしては強いと思う。だから、別に自分も間違ってないと思う。一応は長くいる会社で、多少の愛着もあるので、こんなゲスなやつを出世させるような間違いをおかす会社であってくれるなという思いもある。

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