ペットの体調が悪いので動物病院について行った。犬猫というメジャーどころではないので近所に診てくれる病院はない。牛や馬のような大物でもないので、獣医さんが家まで往診にきてくれるわけでもない。小動物をケージに入れて、家から遠くにある病院に電車を乗り継いで行ってきた。電車を使っての移動で下手にストレスを与えないようにかなり気を使うので、ついた頃にはこっちの体調が悪くなっている。
車でいけば楽なんだろうけど、病院にも周辺にも駐車場はない。車も持ってなければ、免許もない。だから、車で行けば楽なのはわかっているが、実現する頃には動物の脅威の生命力で元気になっているだろう。
病院の待合室は狭い。コロナが流行り出してからは、「待合室で待つのは1家族1人まで」という病院のルールがあるが、誰もそんなのは守っていないのでいつも外で待つことになる。コロナの前はそんなルールはなかったが、それでも狭い待合室だから、普通は一人、多くても二人くらいで待つとか、診察の時だけ中に入ってくるとかするのが常識だろうと思うが、そんなものはここにはなかった。ペットを心配する気持ちと待っている間時間を潰せる場所がどこにもないからだと思うが、多い時は家族4人で待合室を占領しているのを見かけた事もある。もとい、家族4人と1匹。こういう家族はペットを椅子の上に置くので、椅子は5つ占領されることになる。「ハムスター1匹に人間4人かよ」と思うが、飼っているペットの大きさと愛情の深さは比例したりしないので、そういう話でもないんのだろうが。ペットは家族だからしょうがない。なんて思ってても、お母さんが「病院のあとおばあちゃんの病院に行くからね」って言った時の子供達に不満顔は忘れられない。別におばあちゃんへの愛と病院に見舞いに行くことにテンションが上がらないのは別だしね。病院が遠いとか、色々行くことに対しての面倒くささはあるからね。
今回も外で待って、空いてきたら院内に移動して、おばさんとうさぎで椅子2つ占領しているそのウサギの隣に腰を下ろし、うちのペットは床におき、自分の番を待ち、診てもらって、3000円くらいする流動食を買い、10割自己負担の治療費を払い、「タクシーで帰りたいな」という気持ちを抑え、行きと同じ経路で自宅に戻った。
ペットを飼うには金がかかる。というよりも、ペットをちゃんと飼うには金がかかる。餌も人間のご飯の残り。病気になっても掘っておく、そういう昭和な飼い方をするなら別だけど。日頃食べさせる餌だって健康を考えていいものをあげたいし、コミュニケーションをとるためにおやつもあげたい。広いケージに快適な居住空間を作り上げるための数々のアイテム。日常にだけでかなりのお金がかかる。それに加えて病気になった時、定期的に通わないと行けない状態になったら、手術することになったら。
優しさだけじゃどうにもならないのがペットを飼うということ。そして、私自身も色々病院にかかっているけど、3割負担ですむありがたさ。ペットの病気で保険制度のありがたみを知る。そんな一日だった。