初めて「断捨離」という言葉を聞いたのは平成28年なのは間違いない。仕事が忙しすぎて、週70時間くらい残業していた時に、それほど忙しくないやつが、「断捨離だ〜断捨離するぞ〜」ってやたら言ってたのを覚えている。「断捨離やる」って言ってる奴は、やらないの法則に漏れず、結局その時はそいつも、我々も誰一人やらなかった。
その時は何もやらなかったが、「断捨離」の魅力は私の心の端っこ、ひょろひょろひょろ〜ってしてるその先っちょの部分を結構な握力で握っていた。最初は年1回くらい手帳に「断捨離する」という目標が書かれるようになった。「やる」って言ってる奴は、やらないの法則の通り、やらなかった。断捨離しなかったということが自分の中で少しずつ重みを増してきて、次の年は年2回、翌年は年4回というように、どんどん予定の組み込まれる間隔が短くなってきた。今時点だと、在宅勤務の水曜日と木曜日、週末金曜〜日曜日の計5回登場してくるようになった。スポーツ選手だったら完全に関節をダメにしている出場回数だ。
でも結局何もやらない。やり方もは決めた。部屋に何センチかはわからないけど、ペットフードを通販で買った時に、商品が入っていた段ボールがある。自分の持ち物はその箱に入るだけにする、というのが自分の断捨離ルール1。親友といってもいいだろう、たぬきのぬいぐるみを1個入れたら満杯になるのでちょっとルールを変えないといけない。変えないといけないんだけど、そこで例外をもうけるのがもう性格的に許せない。だけど、たぬきのぬいぐるみを捨てることはできない。たぬきだけでなくても、パソコンだってその箱に入らないし、鞄はどうするんだ。鞄入れたらダンボールはパンパンです。じゃあ、ダンボールの中に入ってる鞄に入る分だけ物を持ってていいってことになるの。もう、無理。
何を残すかは後から考えるとして、これは捨てていいだろうという物を先に捨ててしまおう、となった時。やっぱり机や棚の上からゴミ袋に物を移動させるのはとても強い抵抗を感じる。大体がゴミ袋に入れた後に時間を置いて、レスキューして元のところ戻してしまう。だから、ゴミ袋に入れる時は「ゴミ収集の前日」になる。「えぇーーい!」とゴミ袋にぶち込む。値段がいくらだろうが勢いで捨てる。ゴミ収集の当日の朝に「えぃ!」とゴミ捨て場に持っていく。そして振り返らずに会社に行く。それくらいの勢いが必要になる。でも、いざその日になると「今日やらないと」のプレッシャーに押しつぶされるわけではなく、押さえつけられた時に、ピョーンって明後日の方向に弾き飛んでしまって、ついつい関係ないことをやってしまう。結局捨てることもできない。
もう、誰かにお金渡して部屋のもの全部捨ててもらうしかない。本とかゲームとかは売っていい。売って自分の儲けにしていい。そうやって誰かに無慈悲に捨ててもらうしか自分が断捨離する方法はないと思っている。多分これからも手帳には「断捨離」のタスクが書かれると思う。でもいつかは、斜線で消したいタスク。