部屋を掃除した

部屋の掃除をした。
仕事の忙しさを理由に部屋の掃除をサボっていたので散らかっていた。
床に散らばっているモノの中で、一番面積を多くとっているのは、本だ。
部屋には本棚がない。本は床に平積みしておくしかない。本がたまればたまるほど、歩くスペースが無くなっていく。
そろそろ、動線が確保できなくなってきた。

まず、本を分類した。まだ読んでいない本ともう読んだ本に分ける。まだ読んでいない本は、部屋の隅に寄せた。読んだ本については、残すものと、捨てるものに分けた。分けてみると、9割は捨てる方に分けられた。本屋で平積みされている新刊なんかは、流行りに食いついて買ったもの。二度三度と読みたいと思うようなものはない。「これは面白い」と思っても、それが中古で買ったものだったりして、将来大きな本棚を買った時に改めて買い直すことを約束して捨てた。
捨ててみると、マンションのゴミ捨て場が本で埋まってしまった。随分と捨てたものだ。

本を整理する時は大概こんな感じになる。コツコツ整理する事はない。たまりにたまった本を「えいっ!」と気合いを入れて一気に整理する。大学生の時、卒業と同時に4年間住んだアパートを引っ越すことになった。その時も大学4年間でためた本を一気に整理して捨てることになった。教科書や参考書、友達がいなかったので、休みの日に読んでいた小説なんかは紐で縛って捨てた。しかし、困ったのが、青年学生が4年間でためた「大人な雑誌」の処分だった。他の本と一緒に紐で縛って捨てればいい。どうしても恥ずかしかったら、同サイズの「普通」の雑誌でサンドイッチして捨てればいい。

しかし、それがなぜか恥ずかしくてできなかった。だから、本を手とハサミで細かくして捨てた。この作業が引越し間近のボロアパートの中で夜通し密かに行われた。全部の本をちぎってみたら、ゴミ袋5袋がパンパンになった。これをあたりがまだ暗い時分に捨てた。人に見られることない時間ということで、朝5時、しかし、それでは自称ゴミ場の管理人で、余生それを生きがいにしているおじいさんの監視がある。もう1時間余裕を見て朝の4時を選んだ。

全部を捨てて、凝り固まった体を伸ばして朝の空気を吸い込む。エロ本をちぎっていただけなのに、卒論を書き上げた時よりも充実感があった。

いまだに、本を捨てる時はこの時のことが思い出される。
いい加減捨てたい。

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