人の寝顔は基本的に安らかなものである。人と近しいところにいる犬、猫などの寝顔も同じだ。でも、たまに電車の中に苦悶の表情を浮かべながら寝ている人がいる。おっさんに多い。眉間にしわを寄せ、呼吸一つずつを、深く、ゆっくりと吸い、そして、吐き出されている。
その人がどうしてそんなに辛そうに眠るのかは、その人にしかわからない理由がある。もしかしたら、その人の先祖、それも周りがみんなウホウホ言っている時代に生きていたお母さんの、お母さんの・・・お母さんが属すグループが夜も安心して眠れないような地域に住んでいたかもしれない。その情報がDNAとして残っているから、安心して眠れないのかもしれない。それをいちいち、話のネタにするのは良くないきがする。
そんな感じで、いじってはいけないようなことを、毎回いじって、こねくり回して、ネタにするのが私の良くないところだ。なるべく人に好かれて生きていくことを決めたので、そろそろ、そういうことは卒業しなければならない。しかし、最後に、どうしても言っておきたいことがある。最近、うちの近所のコンビニ店員の質が非常に低い。まず、やる気がない、愛想が悪いという接客業としてそれを満たしていないのはどうかと思うようなマイナス部分が目立つ。何を言っているのかわからないボソボソ声で話すし、「えっ?」とか「○○スカ?」なんて口の利き方だ。まぁ、こちらも密閉型イヤホンで落語を聴きながら買い物しているので、こっちの声も小さいのかもしれない。イヤホンのせいで自分の声が聞こえないから、どれだけの音出しているのかわからない。少なくとも、耳に聞こえてくる噺家の声よりは小さい気がする。だから、その辺りは両成敗とする。
私が許せないのは、店員の「袋詰め」が下手すぎることだ。私だって得意なわけではない。だけど、持ち上げた時のバランスくらいは気にして詰める。袋詰めが下手な店員は持ち上げ瞬間に弁当が縦になる。あぶない刑事のカーチェイスで見た片輪走行のようになる。なんで弁当とペットボトルを並べるのか。弁当の上に乗せるならまだしも、横とは。以前、温めた弁当とチョコと買った時に、弁当の蓋の上にチョコを置いた店員がいた。その店員レベルでもバランスは取れていた。その店員以下だ。どうしてだろう。お母さんのお腹の中にいる時に、栄養と一緒に袋詰めのスキルを貰わなかたのか。どういう理由があって、それができないのか、その真実はわからない。もしかしたら、どうしてもそれができない理由があるのかもしれない。
蓋の隙間から出た麻婆豆腐を見ながら、思う。
ついでに、考える。
蓋から溢れた部分はなんと表現するのだろう。「汁」だろうか。「麻」、「婆」、「麻婆」だろうか。