レベル3っていう言葉を聞くと、体の、心のそこからワクワクの気持ちが湧いてくる。
というのも、レベル3というのは、ドラゴンクエストⅠで主人公がホイミという体力を回復する呪文を覚えるレベルだからだ。
このホイミがあれば、冒険の幅が大きく広がる。
冒険する世界が広がる。
敵と戦うと当然体力が減る。
体力が減ると、町に戻って宿屋に泊まり体力を回復させる必要がある。
この状況だと、町から遠く離れることは危険だ。
宿屋問題だけではない。
遠くに行くほど敵が強くなる。
敵が強くなると、戦闘中に体力を回復する必要がある。
頑張って町から出ても、敵に負けて振り出しに戻ってしまう。
やくそうなどの体力を回復するアイテムもある。
それらは金がかかる。ゲーム序盤は武器や防具にお金をかけたいので、回復アイテムに回す金がない。
そんな問題も、ホイミひとつで全ての問題は解決できる。
そして、遠くの町や、敵の強い洞窟に挑戦していくことになる。
積極的な冒険を展開することが可能なのだ。
冒険がしたくて始めたゲーム。
見知らぬ世界を見ることに何の不満があろうか。
だから、このホイミを覚えるレベル3という言葉を聞くととてもワクワクする。
現実の私の話だ。
現実世界におけるホイミとは何か。
金だろう。
前ホイミ時代にできなかったこと、後ホイミ時代にできるようになったこと、それらは現実の世界では金のあり、なしで実現の可否が決まる。
30代、社会人生活も10年を超えて、毎月決まった金が入る。
ある程度のことは自由にできる額だ。
足裏マッサージ30分3000円に、フットバス中に肩と首を揉んだもらえるオプション10分1000円を付けるのにそんなに悩まないくらいの金はある。
そう考えると、おそらく、すでに私はホイミを覚えている。
ホイミを覚えているのに、どうも冒険の幅が狭いように思う。
でも、いいの。
無理して怪我するよりも、最初の町で全戦全勝の無敵を誇っていた方が楽しい。
毎日、生きているだけでちょっとずつは成長しているはずだ。
長くなったが、こんな感じに生きる男の目線で見る世界を綴りたい。